その眼精疲労・肩こりはテープ一枚で治るよ!眼瞼下垂・眼瞼痙攣が原因の可能性も

健康

長年に渡って眼精疲労や肩こりに悩んでいる人は居ませんか?
その辛さの原因はまぶたの病気にあるかも知れません。

私がまぶたの病気、眼瞼下垂(がんけんかすい)と眼瞼痙攣(がんけんけいれん)と診断されてから、3度の手術を受けるに至った体験について書いていきたいと思います。

尚、私は医療関係者ではありませんので、ここに書いた事は私が患者として経験した主観に偏った内容であり、客観的・医学的に正確な情報ではありません。あくまで参考として、実際の病気に関わる全ての事は診察を受ける医師の指示に従って下さい。

目次

原因不明の眼精疲労に何年も悩んでいた

ずっと昔の話ですが、私は2006年頃から夕方になると現れる重い目の疲れに悩まされていました。何件も眼科を廻り検査を受けましたが、「ただの疲れ目」「眼精疲労」という診断ばかりで、原因は分かりませんでした。

最初の何年かは「ただの疲れ目」で済んでいた症状が、次第に「疲れ」から「痛み」になり、ついに2009年には仕事をするのも難しいまでに悪化していました。目の奥の疲れが翌日の朝にも残り、連休中であっても目の疲れが取れない程になっていました。以下にその時の症状を書きます。

夕方になると目の上奥が痛くなる

目を酷使して仕事をしていると、夕方に近づくにつれ目の上奥が痛くなる。筋肉のコリにも似た「ズーンズーン」「ガーンガーン」とした痛みを感じ、仕事から帰る頃には吐き気も感じる程に悪化する。ホットタオルを目に乗せ休ませると一時的に回復する痛み。

首こり

後頭部からうなじにかけて、特に耳の後ろの強いこり。目の奥から耳の後ろに向かって貫通するように首がこる。耳の後ろを指圧すると、眼球の裏まで繋がっているように「ジーンジーン」と気持ちが良く感じるこり。

肩こり

首ほどでは無いが肩こりも始まり、今まで着れていた服が着れなくなった。新たに買う服は肩がラグランの服ばかり。目が疲れてくると、背骨の真ん中の体の芯が重くなり呼吸が浅くなる。常に首や肩をぐるぐると回していて、その癖をよく人に指摘されていた。

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色々試すが眼精疲労が良くならない

辛い症状を少しでも和らげるために色々な事を試していました。

ビタミンB12目薬

「サンコバ点眼液」と言う、眼精疲労の治療用ビタミンB12目薬を処方され使用していました。眼科の先生の「目薬は気休め程度」という説明通り、あまり効果を実感できませんでした。

ホットタオルで目を温める

電子レンジで温めたタオルで両目を覆うと、とても気持良く疲れが取れました。眼科の先生も、「目を温め血行を良くする事や適度な休憩が重要」と推奨していました。花王めぐりズム 蒸気でホットアイマスクは使い捨てのアイマスクで、自動で発熱するので手軽に使うことができました。

視線を下げてモニタを見る

視線を下げモニタを見ると、疲れの蓄積が全く違う事に気づいたので、下の動画のようにモニタ位置を下げる事に試行錯誤していました。具体的には、モニタのスタンドを外し、モニタパネルを机に直置きにしたり、イスの高さを精一杯に上げ、ひざの上にキーボードを乗せるなど、少しでも視線を下げるように仕事をしていました。

後傾姿勢ワーキングチェアとモニタアーム

自宅では、後ろにのけぞった姿勢で作業できるイスとモニタアームを購入し使っていました。高い買い物でしたが、少しでも眼精疲労が軽減できるならと藁にも縋る思いでした。

色々な視力矯正器具(メガネ)

その頃、ちょうど裸眼からメガネをかけ始めるようになっていたので、メガネの矯正に問題があるのかと疑い、色々な眼科でメガネの処方箋を作りました。近視や乱視の度数を弱めに作ったり、疲労軽減効果を謳うHOYAのオフィスカラーでレンズを作ったりと、色々試しましたがほとんど違いはありませんでした。

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まぶたにテープを貼ったら症状が劇的に改善した!

他にも、眼精疲労に関する様々な書籍を買い、ブルーベリーの食品に凝ったりと、できる事は全て試しましたが効果は薄く、1日8時間を働く事すらも精一杯な状況となっていきました。「もう仕事は続かないかも知れない…休日にまで目が辛く疲れが抜けないのはどうしてだろうか…」そう悩んでいた時にふと目にした方法を試してみたら、自分でも驚くほど劇的に症状が改善しました。

それは、まぶたにテープを貼って上に引っ張る事。

最初知った時は半信半疑でしたが、いざ試してみると、あれだけ悩んでいた眼精疲労・首こり・肩こりの辛さが、貼ってすぐに劇的に軽減!驚いて調べてみると「眼瞼下垂症」という病気らしいと分かりました。

まぶたへのテープの張り方

テープの張り方は、NHKためしてガッテン 眼瞼下垂の回のページで詳しく紹介されていたので引用します。

テープを4~5センチの長さに切ります。
目をつぶった状態でテープの片側を眉毛の下のまぶたに止めます。 (この時、まぶた全体を持ち上げようとすると、テープを貼った後に目が閉じなくなってしまいます。眉毛のすぐ下の皮膚を止めて下さい)
テープを引っ張り上げながら目を開き、テープのもう片方の端を額の皮膚に貼ります。 (強く引っ張りあげる必要はありません。皮膚を軽く持ち上げる程度で十分です)

医学で解明!顔若返り – ためしてガッテン(NHK)

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眼瞼下垂(がんけんかすい)症について調べてみた

さっそく眼瞼下垂症について調べてみました。

眼瞼下垂症とは

眼瞼下垂症を一言で現すと「まぶたが垂れてきて目が開かない状態」の事で、まぶたを持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋やミュラー筋)とそれに繋がる挙筋腱膜が、加齢やコンタクトレンズの長期使用など様々な原因によって繋がりが緩み、目を上げる役割を果たせなくなった状態、と説明されていました。

頑張ればまだ目が開く状態であっても症状が現れる(代謝期)

私自身、人よりまぶたが下がっているとは思っていましたが、そこまで大きく気になった事はなく、ましてや病気の説明にある「まぶたが垂れてきて目を開けたくても開けられない状態」には当てはまらないのではないかと感じました。しかし調べていくと、頑張ればまだ目が開く状態(代謝期と呼ぶ)であっても、眼精疲労や肩こりなどの様々な症状が発生する場合がある事が分かりました。

その状態では目を開けるために強く力を入れる必要があるので、

  • 前頭筋(おでこの筋肉)
  • 後頭筋(うなじの筋肉)
  • 僧帽筋(肩の筋肉)

などの頭を取り囲む他の筋肉にも連動して負担がかかり、眼精疲労・肩こり・頭痛などを引き起こす場合があると解説されています。

目を上げる筋肉にはセンサーの役割も含まれている

また最近の研究で、目を上げる筋肉の一つ、「ミュラー筋」にはセンサーの役割がある事が分かってきたようです。ミュラー筋に負担がかかると、交感神経への刺激によって自律神経症状が現れるという事が解説されています。また、ミュラー筋を介した刺激については医師によって見解が違い、エビデンス構築段階のようです。

改善には手術が必要

根本改善には残念ながら外科手術しかなく、まぶたの二重になる部分を切り、挙筋腱膜をまぶたの先端の瞼板に縫い付け、緩みを取る方法などが解説されています。まぶたへのテーピングと同じ事を外科手術で行うようです。

思い当たる節があり

私自身、今までディスプレイの高さ調整や後傾チェアを使って、視線を下げて仕事をする事に異常なほど拘りを持っていました。また、いつもお酒を飲んだ後に眠くもないのにまぶたが下がり、人から指摘される度に「体質なんだろうか?」と不思議に感じていました。

1ヶ月で人生が変わるほどの効果

テープを貼ってから直ぐに、首から肩にかけての力が抜けた事を実感でき、1ヶ月ほど続けると、ガチガチだった耳の後ろのうなじの筋肉がとても柔らかくなりました。逆にテーピングをしていない状態では、耳を後ろに引っ張るように頭皮に力を入れてしまっている事が分かりました。

仕事も続けられないほど悩んでいた眼精疲労が、テープ1枚で劇的に良くなり、1ヶ月前まであれだけ悩んでいたのが嘘のようでした。少々大げさですが、私にとっては人生が変わったような劇的な効果でした。

まぶたの肌荒れに注意

当初はまぶたを上げるのにセロハンテープを使っていましたが、剥がす時に肌が荒れてしまい治るまで苦労しました。一日に何度も貼る状況であれば、早めにサージカルテープと言う種類のテープを買う事をお勧めします。

色々なテープを試しましたが、ニトムズ – 優肌絆 プラスチック 細 肌にやさしいテープ 幅12mmが肌に優しく目立ちづらかったです。ドラッグストアで取り寄せ300円ほどで購入できます。

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眼瞼下垂の参考サイト

病気の詳細は下記参考サイトや、書籍が参考になりました。

信州大学形成外科 松尾 清教授の書籍が、一般患者向けに体系的に眼瞼下垂症の事が書かれていてとても参考になりました。まぶたへのテーピングを知ることが出来たのもこの書籍のお陰です。

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眼瞼下垂を扱う札幌の病院へ

テーピングには非常に満足できましたが、まずは病気なのかどうかを確認するため病院へ行くことにしました。眼瞼下垂をメインに扱っている病院は余り多くなく、「眼瞼を扱う極一部の眼科」と「一部の形成外科」という事が分かったので、早速札幌市内の眼科と形成外科へ向かいました。

眼瞼(がんけん)を主に扱う眼科へ

最初に行ったのは眼瞼を主に扱う眼科です。症状を伝えた後に先生がぱっと顔を見るなり、「眼瞼下垂ですね。」と一言。余りにもあっけなく診断が付いたので、この何年かの眼科廻りは一体なんだったのか、と力が抜ける思いでした。

今まで何度も病院を受診してきた事を話すと、「あなたのように何年も苦労してから辿り着く人が多い」との事で、眼科医の間でも眼瞼下垂から起こる様々な付帯症状はあまり認知されていない、という話を伺いました。

手術と料金(3割負担で約5万円、70歳以上は1割負担で約2万円)の説明を受け、手術以外に改善は難しいとの話を受けました。その時はテーピングに満足していた事もあり、一度考えさせて欲しい旨を伝え病院を後にしました。

蘇春堂(ソシュンドウ)形成外科へ

手術となるとそう簡単に決められる事ではないので他の病院も受診する事にし、後に手術を受けることになる蘇春堂形成外科へ。待合室の前には眼瞼下垂についてのプリント(北海道新聞の記事シンガーソングライター三浦 久さんの体験記など。)が置いてあり、眼瞼下垂をメインに扱っている事が良く伝わって来る病院でした。病院内は還暦くらいの女性患者さんが多い印象。

野平先生の診察では、パチパチと早い瞬き・ぐっと目をつぶる強い瞬きなど細かく確認して頂き、「眼瞼下垂もあるが、眼瞼痙攣(がんけんけいれん)の疑いもある」との事で、札幌市内の神経内科を紹介して頂く事となりました。

自覚症状ではまぶたがピクピクと痙攣する事は無かったので、診察で「痙攣」と言われた時は少し不思議な印象を持ちましたが、さらに話を伺うと痙攣には目がピクピクする間代性の痙攣とは別に、目にグッと力を入れてしまう強直性の痙攣があるという事を伺いました。

「目に力を入れてしまう」という感覚はまったく無かったので「痙攣」という言葉にさらに不思議な印象を持ちましたが、手術以外の方法で改善する可能性がある事を聞き安心できました。

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眼瞼痙攣(がんけんけいれん)についても調べてみた

早速家に帰り眼瞼痙攣について調べてみました。製薬会社のWebページには以下のように説明されています。

眼瞼けいれんとは、目の周りの筋肉がけいれんして、目があけにくくなり、まばたきがうまくできなくなる病気です。 脳内の運動を抑制するシステムが機能障害を起こすことによって生じると考えられています。 しかし、発症の原因が完全には解明されていないため、症状を抑える治療が中心となっています。
Btx-a.jp kao こんな症状ありますか? 顔や目のまわりがけいれんする病気:眼瞼けいれん

目を閉じる時に使う、目の回りを丸く取り囲んでいる眼輪筋が痙攣する事で、まぶたの不快感など眼瞼下垂と似た症状や、まぶしく感じる・まばたきが多くなるなどの症状が出る病気のようです。下記は詳しく紹介されている参考サイトです。

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眼瞼痙攣の参考サイト

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ボツリヌス(ボトックス/BTX)療法を受ける

神経内科ボツリヌス治療外来へ

そして紹介状を持ち脳神経外科で有名な病院の神経内科ボツリヌス治療外来へ。そこでも蘇春堂と同じく瞬きのチェックがあり、特に症状が強い訳ではないが眼瞼痙攣の可能性もあるという事で、治療法について説明がありました。

その治療法とは、目の周りに極少量のボツリヌス菌毒素を注射し、筋弛緩作用により眼輪筋の緊張を取る方法との事でした。病気を治す原因療法ではなく、あくまでも症状を軽減させるだけの対症療法で、平均3ヶ月ごとに再度の注射が必要な事、高額な治療である事(3割負担で100単位約3万円、70歳以上は1割負担で約1万円)、価格に対しての効果に満足出来ない方もいるが、そこは納得して欲しいという旨の説明がありました。

自覚症状では眼瞼痙攣で説明された症状は特にありませんでしたが、3ヶ月で効果がほぼ消失する事と、ひょっとしたら手術やテーピングが不要になるかもしれない、と期待を持って打つ事にしました。

神経内科でボトックス注射を受ける

後日、ボトックス100単位を目の周り10箇所以上に注射して頂きました。「細い注射針なので痛くありません」との説明通り、腕に指す注射のように痛くはありませんでした。ただ、一箇所づつは痛くなくても、何箇所も打たれた後は顔全体がジワーっと熱くなるような痛痒さがありました。治療代は10割約97000円の3割負担分で29000円程度。これが3ヶ月おきにと考えると高額ですが、それでもテープや手術が要らなくなるのなら、と前向きに考える事にしました。

注射後も辛さは変わらず

打った当日は何も変わりませんでしたが、一週間経った頃から効果が出てきたようで、入浴時に普段通り目をつぶって顔にシャワーをかけると、水が目に染みてしまったので、目を閉じる力が弱まっている事が分かりました。大体1ヶ月半位から徐々に効果が弱くなり、3ヶ月で効果が分からなくなるような感覚でした。(本当にその期間だったかもはっきり分からないというのが正直な感想ですです。)

目を閉じる力が弱まっている事は実感出来ましたが、それ以外の効果は実感できず、テープを貼らなければ眼精疲労と首こりなどの辛い症状は変わらないままで、テーピングを止める事は出来ませんでした。

再度3ヶ月後に2度目のボトックス100単位を打って頂きましたが、やはり1度目と同じで、筋弛緩の効果ははっきり自覚出来てもそれ以外には何も変わらないという感覚でした。

リボトリールが肩こりにとても良く効いた

ボトックスの効果に満足できない事を伝えると、次にリボトリールという飲み薬を1日0.5mg処方されました。これを飲むと、まるで風呂上りのように体の力が抜け、テープを貼っていない時でも眼精疲労や首こりが軽減される感覚があったので継続する事にしました。

初めて飲んだ時は、まるで「インスタント風呂あがり薬」というくらいストレートに肩こりに効いて驚くほどでした。ただデメリットもあり、飲むと直ぐに眠気が出る事や、寝る時に夢を全く見ないほど深く眠てしまい、朝に起きづらい事などがありましたが、段々と慣れて問題にならなくなりました。

この薬は、眼瞼痙攣の治療以外にも抗てんかん薬や抗不安薬としても使われているようで、緊張してもお腹が痛くならない・人前でもあがらなくなるなど、目の辛さとは関係ない方面にも効いてしまい、シュンとする緊張感が無くなってちょっと嫌かなという印象はありました。こういう薬は初めての経験だったので、ただの飲み薬が精神に作用する事には驚きました。

まさかこの時は、後々この薬の離脱症状で苦しむ事になるとは考えもしていませんでした。

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1度目の手術:眼瞼下垂の手術を蘇春堂形成外科で受ける

テーピングに不満が募る

テーピングを知ってからは、テープを貼っている間は仕事が問題無く出来るようになり、眼精疲労も首こりも問題にならなくなりました。しかし、毎日行うテーピングの煩わしさには疲れてしまい、何とかならないものかと半年ぶりに蘇春堂に相談へ。

診察で状況を説明した所、皮膚の余剰が多く眼瞼下垂の症状が出ている事、手術をする事でまぶたを上げるテーピングが不要になる可能性が高い事の説明を受けました。私の症状の重さについて伺った所、下垂はどちらかと言うと皮膚の部分がかなり多い状態、眼瞼痙攣気味の人は、閉じる力に負けて症状が出てくる事があり、そのバランスが難しいという話を伺いました。

手術を受ける事を決心

今まで生きてきて手術の経験は一度もなく、それもあり手術を受けるかどうかの判断は迷いました。しかし、家のチャイムが鳴る度にテープを剥がすという生活は煩わしく、外で貼れる訳でもないテーピングは私にとって満足できるものでは無かったので手術を受ける事に決めました。

他にも複数の病院に行きましたが、蘇春堂意外の病院では眼瞼下垂という診断だけで眼瞼痙攣に関しては否定されたり特に問題とされなかった事、野平先生はその点の指摘があった事や、質問に対して自信を持ってお答え頂ける事、術後も1ヶ月・3ヶ月・半年と定期診察で見て行くという事で安心感があり、何よりも眼瞼下垂をライフワークとしている事が強く伝わって来た事が理由で、考えた末に手術を決意しました。

手術前の準備

手術に向け、親や友人に手術の事を話し情報収集を始めました。意外にも私の祖母が眼瞼下垂の事を知っていて驚きました。高齢者の間では特別マイナーな病気では無いようです。男友達でこの病気を知っている人は殆どいませんでしたが、何年も原因が分からず苦労してきたので皆喜んでくれました。一体ここに至るまで何年を費やしてきたのか…。

女友達にも相談した所、だいたいの人が眼瞼下垂の事を知っていました!しかも全員が興味津々で、反応の違いには驚きました。眼瞼下垂の手術で行う事が、美容整形で目を大きくする事と同じ内容の手術でもあるらしく、男女間でその知名度には大きな差がある事を実感しました。

いよいよ眼瞼下垂手術当日

2010年春、会社を早退し夕方に蘇春堂へ。手術前に見た目の希望を聞かれ、今のままとにかく変えたくないという事を伝えました。鏡を渡された後に針金のような器具で二重を作られ、「もうすこし細く、もうすこし細く」と何度かのやり取りがあり、今のままの限りなく一重に近い奥二重にして欲しかったのですが、「これ以上細くすると年を取ってからまた皮が被ってくる、最低限は開けないとまた症状が出てくるのでこれ位がいい所でしょう」と説明を受け、不安でしたが納得し手術室へ。結果は控えめな見た目にして頂き、全く問題はありませんでした。しつこいやり取りに付き合って頂きありがとうございました。

ついに人生初の手術が始まり、ちょうどシンガポール?の大学教授が野平先生の手術を見学されている所で、時折英語で会話が飛び交う中でまぶたに麻酔がされていきました。目を瞑っているので周りは見えないのですが、電気メスか何かの「ジジッ」と焼ける音や器具の感触で、何をされているかが嫌でも想像できてしまいます。何度か起き上がり先生がまぶたのバランスを確認されながら手術が進んで行きました。

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手術途中に新たな症状が発生

手術の途中、眼瞼挙筋を引き上げた直後から、上を向こうとすると目の上奥が引っ張られるようにズキンと痛くなり、一瞬しか目を上げられなくなってしまいました。水平を見てもすぐに疲れてしまう状態で、視線を下げて物を見る事しか出来なくなってしまいました。

手術自体が初めての経験だったので、「麻酔がかかっているしこれが普通なのかな?」とも思いましたが、先生の反応を見るにそうではないらしく、とても珍しい、難しい問題が発生してるという風でした。

緊張からかあっという間に手術は終了。はっきり覚えていませんが、1時間位だったでしょうか。最初の麻酔がよく効き、痛みは全く無し。歯科で虫歯の神経を抜く治療よりも楽なくらいで、豆腐メンタルな私でも最後までリラックスして終える事ができました。手術後の会計は、両目の眼瞼下垂手術で3割負担、約45000円でした。

手術後も痛くて上を見れない

手術後も、上を見るのが辛い状況は変わりませんでした。上を見たり睨むように目に力を入れると、目の上奥の筋がまるでゴムの反発のように、上げれば上げるほどギュンギュンと痛くなります。重いというより、かなりクリアではっきりとした痛みです。先生の反応も非常に珍しい、難しい問題らしく、まずは様子を見る事となりました。

尚、手術の後に先生に聞きましたが、眼瞼下垂の手術内容は挙筋前転との事で、事前に頂いた眼瞼下垂手術の冊子にもそのような事が書いてありました。

帰りはサングラスをかけ家族に迎えに来て貰い、余裕があったので会社に顔を見せに行きました。社内には事前に説明していましたが、会った人全員の顔が引きつっていたような…。鏡で自分の顔を見ると、タラコの様に赤く腫れていたので納得。麻酔が切れ痛みも出てきてしまい、寄らずにさっさと帰れば良かったと後悔。何日か自宅勤務で迷惑をお掛けします…。

視力に少し変化が

家に帰ると視力が少し違う事に気づきました。いつもより乱視が強く感じ、近視が進んだから乱視が進んだようにも見えるような、文字やLEDランプが縦に2重に見えてしまうのに気づきました。これは手術前のテーピングをしていた時にも弱く感じていた事でした。

私の仕事は、画面の1ピクセルの違いが分からなければコーディング中にものすっごいストレスを感じるのですぐ分かりましたが、PCを使わない仕事であれば気にならない程度の変化で、メガネを作り直せばいいだけの事、特に何の問題もないと感じる程度でした。原因は、まぶたが上がるから目の絞りが開いて被写界深度が浅くなるからとか、筋や結び目の圧力の問題とか、色々いわれる中で未だはっきりしないようです。

後に眼瞼下垂の手術を受けた患者さんと何人か話す事になりますが、視力の変化は大なり小なり感じている人が多いんだなという印象を受けました。

1ヶ月後も状況は変わらず、仕事が半分の時間しかできなくなる

1週間ほどで腫れはスーッと引き、見た目は特に気にならなくなりました。しかし手術後から発生した症状は1ヶ月経っても変化が無く、術後眼瞼痙攣との診断を頂きました。その後、神経内科で追加のボトックスを打ちましたがいつも通り大きな変化は無く、神経眼科を紹介して頂き眼瞼部のMRIを撮りましたが何も問題は見つかりませんでした。

ただ目の上奥がこんなに痛いにも関わらず、手術後は首こり肩こりがテープを貼らなくても治っている感覚がありました。しかしテープを貼って強く引っ張れば痛い角度が少し上に修正されるので、手術前と目的は違いますが手術後もテーピングは継続していました。

毎日何とか会社に出勤してはいましたが、手術前の半分程の時間しか働けなくなってしまい、ひょっとして症状はこのまま変わらないんだろうか、と思うと段々と焦りが出てきました。駅までの自転車通勤が地獄で、体は前傾であごは目一杯上げる、というかなり情けない姿で通勤していました。

そんな状況で救いだったのは野平先生の責任感で、私のような術後に問題が発生する患者というのは極少数なのだと思いますが、最後まで見捨てず責任を持つという姿勢は、今後見習って生きようと思わせるものがありました。感謝します。

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眼瞼下垂手術後の写真を公開します

写真を公開する理由

自分の顔を人目にさらすというのはあまり気の進む事ではありませんが、既に公言している通り術後の写真を公開します。公開の理由は、私のように眼精疲労や肩こりで苦しんでいる人が、少しでも病気に気づくきっかけになればと考えたからです。

当事者性を持った情報が少なすぎる

もう一つの理由は、病気の情報が余りにも少なく不満を感じた事です。私は今まで「手に入らない情報など無い」と考えていた所がありました。TwitterやFaceBookなどのSNSをアンテナにし、Amazonレビューや各種掲示板のソーシャルなレコメンドの空気を感じ、ネットや書籍に知識を求め、その知識を持った人に直接会い相談し、勉強会で同じ志の仲間と交流しアンテナを広げるという、今では多くの人が当たり前に行なっている評価社会の恩恵を受け生きてきました。

そんな中であっても、病気に関しては実際に手術を受けた方の声を聞くというのはとても難しく、医師や患者から発信される、当事者性を持った情報というのは本当に少なく感じました。

写真の公開状況は絶望的

見た目の問題を含む事もあり写真を公開している人はほとんどおらず、「外見はどう変わってしまうんだろうか?」「テーピングと同じように眼精疲労は良くなるだろうか?」という不安を強く感じていました。次に受ける人が持つだろう不安を少しでも取り除ければと思い写真も載せる事にしました。

写真の公開に関して友人達から「誤解や不利益を被る可能性もあるので慎重に考えた方が良い」と親身な意見を貰いました。そもそもこの病気を最初に知ったきっかけはWebページでした。私は、Webから得た情報はWebに還元されるべきという強い思いがあります。多少なりとも公共の福利にもなるのだから、これは避けられない事と考えました。心配ありがとう。

なお、病院名と術後の写真の掲載に関しては、手術前に先生より「患者さんの責任の元で自由に判断する事なので、あなたが構わないなら」と快く了承を頂きました。感謝いたします。

眼瞼下垂手術の写真一覧

転載の場合は、当記事へのリンクを貼って頂き、下記写真の転載はご遠慮頂ければと思います。

  • 目の力を抜いている時
  • 目に力を入れて開けている時(人と話す時)
  • テーピングで楽な状態(実際はもう少し引っ張る)
  • 貼り方(もう少し引き上げたほうが良い)
  • 手術当日
  • 手術当日
  • 手術当日
  • 1日目
  • 1日目
  • 2日目
  • 2日目
  • 3日目
  • 3日目
  • 3日目(糸)
  • 4日目
  • 6日目
  • 6日目
  • 8日目 抜糸後
  • 8日目 抜糸後
  • 13日目
  • 13日目
  • 13日目
  • 2ヶ月後
  • 2ヶ月後

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2度目の手術:眼輪筋切除手術を信州大学病院で受ける

その後も手術後に発生した症状は変わらず、紆余曲折があり何ヶ月も後、信州大学病院形成外科 松尾教授の診察を受ける事になりました。

長野県、信州の地へ

私が最初に眼瞼下垂を知ったきっかけはWebでしたが、テーピングについては松尾先生の著書がきっかけでした。この分野のオーソリティという事もあり診察前は緊張しましたが、実際はとても話しやすく研究熱心な先生という印象を受けました。

診察室の中では、サーモグラフィを使った顔や手の温度測定、鼓膜の筋肉測定、まぶたに重りを載せるテスト、まばたきのスローモーション撮影など、様々なテストが行われました。

まぶたを通して様々な症状が現れる

様々な情報を教えて頂いた中で、痙攣で下まぶたの筋肉を奥に引くと、持病の喘息を誘発する事や、眼瞼下垂手術前の写真で、下まぶたに縦ジワがあり土手が膨らんで見える事を指摘され、これは盛り上がっているのではなくて、痙攣で下まぶたを引いてしまっている状態で、私達はこういうのを見ると痙攣と考えるという話しを伺い、下まぶたの切開も必要になる可能性を説明されました。

最終的に、私の瞼には痙攣とうまく折り畳まれない瞼の問題がある事、それに対し、目を開く事に抵抗する組織を軽減する事で、眼瞼下垂手術後に発生した症状が改善する可能性が高い事の説明を受け、眼瞼痙攣に対して上まぶたと下まぶたを切り眼輪筋を切除する手術を受ける事になりました。

手術のデメリットについては、とても良く腫れ出血やしびれもある事や、最低限必要な手術だけをやるので再手術の可能性がある事を伺いました。見た目が変わってしまうのがとても心配でしたが、1度目の切開線をそのまま使うという事と、高齢者と比べ若い人は重症ではなく、大きく組織を取る事はしないので、そこまで恐れる手術ではないという事を聞き安心しました。

松尾先生の説明は非常に納得出来るもので、なぜここまで腑に落ちるのかを考えましたが、見えている世界があり、その世界への興味が非常に強く、その興味が結果的に患者への粘り強い聴取と説明となって現れているからなのだろうと感じました。

おでこテープを知る

おでこテープ 日東メディカル 優肌パーミロール14R10(10cm幅)

診察では大変便利なテーピング方法がある事を教えて頂きました。それはフィルムドレッシング材を切っておでこに貼る方法で、私は勝手におでこテープと名付けていました。写真を見て頂くと分かる通り、透明で非常に目立ちにくいテープです。おでこに貼った後に前髪を下ろすと、テープを付けている事が分かりづらく、またバレてもあまり恥ずかしく感じない利点があります。ただのテーピングはどうしてもモノマネのコロッケさん風になってしまうのでこれは利点です。ただし夏場は汗でろんでろんで剥がれます。早速ネット上で取り寄せ使い始めました。

商品名は「日東メディカル 優肌パーミロール14R10(10cm幅)」で、私が普段まぶたを上げるのに使っていた優肌絆テープと同じメーカーでした。
優肌パーミロール14R10 10cm幅

いよいよ手術の日

さらに何ヶ月も待ち、2010年秋に手術の前日を迎えました。まず入院窓口に行って手続きを済まし病棟に移動。看護師の方から病棟案内とオリエンテーションを受け、体重と身体測定。夕食後に松尾先生が病室に来られ相談室に移動。明日の手術の説明を受けました。基本的には以前の説明通りの手術との事。診察室とは違うリラックスした雰囲気に少し緊張が解け安心させて頂きました。病院名や写真の公開に関しては「あなたが良いならもちろん良いですよ」との温かい言葉を頂き、手術中の写真まで頂ける事になりました。

手術当日の朝、1Fで喘息の肺活量検査。ピークフロー値と完全に吸ってから吐く検査を受け、その後再度2Fのナースステーションで同じ検査を色々にテープを貼った状態で受けました。喘息は持っていますが普段薬で管理できているのでテープを貼ってもあまり変化はなく、平均値の81%程度でぎりぎり正常範囲内でした。

本日2例目の手術という事で、予定を一時間過ぎた辺りに看護師の方から呼ばれ、「10分後に移動です。お手洗を済ましてください」と説明を受け移動。

手術開始

手術中、筋肉を取っても目はあまり上がらず、上眼瞼挙筋を下げて頂いた所から、痛みが減少し目を上げられるようになりました。2週間後に退院。

まだ書きかけなので、後日追記します。

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眼輪筋切除手術の術後写真一覧

眼瞼下垂の手術の時と同じく公開します。

  • 手術前
  • 手術前
  • おでこにパーミロールテープ
  • おでこにパーミロールテープ(本当はもっと引っ張る)
  • 手術中
  • 手術中
  • 手術後
  • 1日目
  • 2日目
  • 3日目
  • 4日目
  • 4日目
  • 4日目
  • 5日目
  • 6日目
  • 7日目
  • 8日目
  • 8日目
  • 8日目
  • 8ヶ月後
  • テープで下瞼を上に引かないと辛い
  • 1年6ヶ月後
  • 1年6ヶ月後
  • 1年6ヶ月後 テーピング

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眼輪筋切除手術後の状況

外に出られない状態に

現状、眼輪筋手術前と比べて手術後の方が何倍も辛い状況となりました。1度目の下垂手術後の悪化では何とか4時間程度働けていましたが、2度目の痙攣手術後は退院後から一切働けなくなり外出も出来ていません。

上を向こうとする時の眼の奥の痛みは軽減されました。
1度目の手術前: 左右目の辛さを 左0/右0 とすると、
1度目の下垂手術後: 左10/右8 くらいに悪化し、
2度目の痙攣手術後: 左5/右3 くらいに自覚的に軽減されました。

しかし手術直後から目にかなりの違和感を感じ、常に目の回りが興奮するようになってしまいました。手術後4週目位から左目下眼瞼に氷を入れたような疼痛を感じ始め、左目下眼瞼に常に力が入るようになり、右も左ほどではないですが力が入り、両頬・両顎奥・両口角にも力が入り抜けない状態で非常に辛いです。目を閉じるように上眼瞼・下眼瞼にテープを貼ると多少辛さが軽減されます。

また、睡眠時に左目を上にして横向きになると下眼瞼の辺りを中心に顔面全体が引きつり、目の乾燥や違和感から仰向けには寝れず、左目を下にして寝る事しか出来なくなりました。寝る時は目を閉じるようにテープを貼らないととても眠れない状態です。朝起きると目をギュンギュンに見開いてしまい、興奮して長く横になっていられない状況。

別の症状で、目が強く乾燥し、瞬きをしても上まぶたが下まぶたの縁まで届いた感じがせず、涙や目薬を指しても、下まぶたの真ん中に溜まってしまうようで辛いです。上手く瞬きができない感覚があり、顔中に力を入れて瞬きをしてしまうようになりました。顔中筋肉が疲れます。

手術2ヶ月後、神経内科から眼瞼痙攣の治療で7ヶ月間処方されていたリボトリール1日0.5mgを、目には効いていない感覚を話し断薬となりました。1ヶ月ほどの強い離脱症状の後になんとか断薬出来ましたが、左右の口角が歪む感覚があります。

後日追記します。

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3度目の手術:信州大学病院にて2012年4月6日に再手術の予定

約1年半待ち、再手術(上眼瞼挙筋をほぼ外し下垂手術前の状態に近くする)で改善の可能性を説明され、明日手術を受ける予定です。

まだ書きかけではありますが、手術後しばらくPCを触れなくなると思うので、ひとまずテーピングの事を伝えるために公開する事にしました。

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病気について書いた目的

病気に関わらずどんな事でも、自分の困っている問題をどう発見し、どう理解し、どう伝えるかはとても重要だと思います。今振り返ると、私は病気と分かるまで、ただ「目の奥が痛い」とだけ訴え何年も眼科を巡っていました。もう少し問題を理解した上で眼科の先生に伝える努力をしていれば、こんな何年もかからずに眼瞼下垂・眼瞼痙攣と言うキーワードに出会えていたのではないかと感じています。

私が本気で動き初めたのは、眼精疲労で仕事ができなくなる直前でした。人間、本当にぎりぎりにならなければ動けないものです。眼瞼下垂・眼瞼痙攣に限らず、辛い症状で悩んでいて病気の見つからない人が、少しでも早く自分の問題に向き合うきっかけになれば、と思い書きました。

手術を避けられる人はいるか

このブログの内容は、これから手術を受ける人を悪戯に不安にさせるだけかも知れないと思い、今の経過での公開は迷いました。しかし、もしも経過が良かったならば受ける印象は全く違っていたと思います。

最初に眼瞼下垂の手術を受ける際、色々な病院を廻りまぶたへのテーピング可否について話を聞きましたが、「まぶたは皮が薄くデリケートな構造なので、テープで引っ張る事はあまり肯定出来ない」と、良い印象を持っていない先生が多いのだなと感じました。

テーピング自体、最初こそ感動的でしたが、人前や外出中に貼れるわけではないので、本音を書けばテーピングは多くの人に現実的では無いのかも知れないとも感じています。最終的に手術を避けられる人はいるのかと思うと余計に公開を迷わせました。

極端な経過が全てではない

しかし、私のような経過を辿る患者というのは全体の極一握りであって、手術を受ける多くの人は、平均的な症状・平均的な確率の元に粛々と手術がなされ良くなっています。

実際、私の経過について複数の先生から受けた説明は、「ほとんどの患者さんは手術によって良くなっている。悪くなるのは極々一部の例外」という内容でした。

また、「病気に強い思い入れのある患者さんは、見た目より実際の症状が強いため悪い経過が目に付き、逆に医療側の出す情報はチャンピオンケース(一番良い症例)が多いので通常より良い経過となりがち。インターネット上の情報は両極端」と話す先生もいました。

大事なのは診察を受け質問する事

迷った時に大事なのは診察を受け質問する事で、もしそこで手術しか無いと説明されたのなら、危険性や確率を伺い、自分の判断を信じ、先生を信じ、最終的にはその先生が信じる方法で直して貰う、それが全てだと思います。どんな病気も、最後は手術を受けるメリットに対する損失の可能性で割り切るしかないのだと思います。

「絶対に安全」はないけど、「絶対に安心」は存在する

手術に限らず、どんな事でも「絶対に安全」は存在しません。ただ蘇春堂・信州大学の両先生から治療を受け思ったのは、「絶対に安心」は存在するかも知れないという事でした。両病院の先生とも、診察を通して眼瞼下垂をライフワークにしている事がとても良く伝わってきました。また同じ病気の患者さんが、1日に2人や3人も手術で良くなっている状況は、「絶対に安心」を感じさせてくれるものがありました。診察を通し説明を聞き、信頼を通して、絶対に安全は無くとも絶対に安心は、先生が作っていけるものなのだなと強く感じました。

「他人に対して大げさな」、「人の本心は分からない」と思いますか?私はそんな事はないと思ってます。素朴に信じるという事は、周りにとっても、自分にとっても良きことをもたらすと思っています。

経過に感謝する患者さんや私のような患者、極端な振れ幅の中で毎日病気と戦っている医師や看護師の姿を見て、心から尊敬しました。

病気について書いたのは、医師への不満や中傷を書こうとしたつもりは全くなく、患者が一番知りたい、同じ病気の、同じ傾向の患者がどんな経験をして、どう対処したかを伝えようとしただけなのでご理解頂ければと思います。もし手術を受けられる方がこの文章を読んだのならば、経過が良くなる事を心から願っています。

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「伝える」ことは「作る」こと

千羽鶴

私は今まで、自分自身の向上心や情熱、ポジティブな考え方というのは、何があっても変わらないものと考えていました。それが2度の手術の悪化で先が見えなくなると大きく揺らぎ、今はネガティブな感情に心が支配される事もあります。それは、自分の性格まで奪われてしまったようで悲しい事です。

ただ、人は経験によって考え方は変わってしまうものだし、振り動かされる情熱は一瞬で長く保ってはいられない。過去の気持ちに戻る事はできない。今見える世界は、そう思えなくても全てが自身の選択によってもたらした世界なのだから、残念だけどそれはしょうがない事で、後は変わってしまった世界をどう捉え受け入れていくか、満足していくかしかないのだと思う。

手術前に戻る事はできないのだから、心からの満足というのは難しいかも知れない。本音を言えば、ポジティブな魔法がかかったままの世界で生きていきたかった。こんな状態で生かされている事の意味は何だろうかと、神に取引も試みたが、そもそも自分自身の苦痛や内なる感情というのは他者にとっては意味の無い事で、何かを伝えたい情熱と、生きてきた自分が相手に伝えられた事、行動した事の総量だけが、それが他者から見た自分の全てだ。

なぜ今まで自分が「作る」事にこだわって来たのか、病気になって少し理解できた。私に取って「伝える」という事は「作る」事で、制作を通した他者との関係性の中で、コミュニケーションの中で感動や影響が生まれて、そこから自信を貰う事が、それが向上心と行動の好循環を生む軸になっていたのだ。

何かを作る作業をしている時・それを通して人とコミュニケーションをしている時というのが、自分が生きていると実感する瞬間であり、その辺りが自分を構成する成分なんだと思う。もし人間の性格が変わるとしたら、それは肉体的な苦痛や病気というものは実は関係なくて、人と人とのコミュニケーションを通してしか変わらない。今まで自分がいかに恵まれた環境で生きてきたのかが分かった。本当に多くの人に感謝している。ありがとう。

これからもその環境の中の、気持ちの循環の中で生きていきたい。そのためにはどうしても今より快適に作業できる体が必要で、そこは譲れないし満足できない。ただこの先の経過というのは神の差配なのだから、誰にも分からないものなのだから、どういう結果であっても受け入れ、先生に感謝し、出会った人に感謝し、少しでも満足して作業をしていきたいと思う。

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私が伝えたかった事

私が伝えたかった事は、「その眼精疲労・肩こりは、テープ一枚で治るよ!仕事は続けられるよ!辞めなくてもいいんだよ!」という事、それだけです。

写真は2009年5月に撮った札幌新川通りの桜。2010年・2011年と病気で撮れなかったので、今年こそは叶えられればと思います。それでは手術に行ってきます。

コメント

  1. shimibo より:

    RINくん
    術後、どうですか?
    全然知らなくてごめんなさい。twitterも流れていってたよ。

    俺も目はすぐ疲れるので、長時間ディスプレイとは向き合えません。俺の場合は、そうなったら力まずにすぐドロップアウトして休憩してます。というか、睡眠障害のようなものもあるので、疲れたと思うより先に寝てたことに気付く感じです。

    俺もそのすぐ寝てしまう行動がただ精神が弱いのか、病気なのか、自分で詳しく把握出来ていません。ハッキリさせたいのもあるけど、どちらかに決められるのもの嫌だと思ってしまうのです。

    今となっては後の祭り、余計でお節介な一言かもしれませんが、RIN君が目を酷使しなくていい環境で暮らせていたらなぁ。と思ってしまいました。また、これからでもそうなって欲しいなぁと思います。

    最後になりますが、
    いろいろ迷ったんですが、Facebookでリンクを共有させてもらいます。僕には医療関係の友人が多いので、是非彼らにもこの貴重な情報をリーチできたらなと思います。

    LINEを始めたので、そっちでも連絡とれたらなと思います。
    では。

    良好な経過をお祈りしてます。

  2. ゆうこ より:

    RINさん

    はじめまして。 こんにちは。

    私も眼瞼下垂に悩んでおり、こちらのブログに辿りつきました。
    3度目の手術を終わられてるかと思いますが、経過の方はどうですか?

    もし宜しければまた経過報告をUPして頂ければと思います。
    初コメントで大変不躾なお願いではありますが、良かったら宜しくお願いしますm(__)m

  3. Syobosyobome より:

    Rinさん

    ブログの隅々まで強い気持ちが漲っているのを感じ応援しています。

    新しい経験のお知らせを待っています。

    もうご存知かもしれませんが、ブログ眼瞼下垂の広場http://kasui.seesaa.net/

    をご紹介します。

    私は眼瞼けいれんの患者syobosyobomeです。

    ご健闘を祈ります。

  4. Tyasuke5630 より:

    自分もRINさんと全く同じ境遇です。
    現在も某有名大学で治療をしていますがよくなる兆しはまだありません。
    現在は進学も断念して家で半寝たきりの状態です。
    出来れば情報交換をしたいのでよろしければ。

    email  tyasuke5630@yahoo.co.jp

  5. blueberry より:

    はじめまして。 

    目の不快感に悩んでかれこれ・・・15年も経ちます。
    やっと自分がちゃんとした病だということがわかって安堵し、半年前に
    立川の病院で眼瞼下垂の手術をしました。

    軽減されたところもありますが、その後眼瞼痙攣の症状に悩んでいます。
    ボトックス注射をするかどうかを考えていたところにこちらのブログに
    辿りつきました。

    情報が少ない中、こうやって生の体験談を知れることがとても
    ありがたいなと思います。

    私の眼瞼痙攣の対処方法は、サングラス、PC作業を減らす、
    睡眠時間を多めに確保する、ストレスを減らす。
    こんな小さいことが大きく影響することを感じます。

    良かったら色々教えていただきたいです。
    経過が良好であることを祈っています。

    桜の写真、とても綺麗で元気をもらいました。

  6. KKTT より:

    ブログ拝見させて頂きました。
    同じ病気で私も治療中です。

    その後のお具合が心配になり書き込みさせて頂きました。

  7. えみ より:


  8. えみ より:

    初めまして。
    わたしも痙攣で悩んでいるものです。
    東京 お茶の水にある、井上眼科という大きい病院があり、痙攣に力を入れている国内でも有名な病院です。是非1度行かれてみると良いかもしれません。

    お互いに、健康で穏やかに過ごす事の出来る日々が、1日でも早く訪れる事を、祈っております。

  9. […] […]

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